Amazonアソシエイトの料率変更は典型的なアメリカンマーケティング。依存していたあなたが悪い!

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Amazonアソシエイトの料率が変更されたということで、収入源が瓦解した一部のアフィリエイターは阿鼻叫喚だそうです。

残念でしたね~。けれど、そんなことは元からわかりきっていたことなのです。

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キックバックは与えるふりをした単なる広告手法

Amazonアソシエイトはアフィリエイトであり単なる広告手法です。成果報酬が与えられることがクローズアップされがちですが、フリーミアムのGiveとはまるっきり性格が異なり、Give&TakeのTakeに重きが置かれています。

もし、本心から与えることを考えているならば、アフィリエイターに無駄な広告費を払わずに、直接の顧客である消費者に価格で還元すればよいのです。

けれど、それをしないのは、一定の広告費の必要性を過去のマーケティング例から学習しているからです。

 

Amazonは赤字を垂れ流しながらもアソシエイトの料率をずっと高めに設定していました。それはなぜかというと、数年後に期待される利益のほうが、現時点での赤字よりもはるかに大きいと知っていたからです。

インターネットの世界では、一般的には一旦構築したリンクを消すということはしません。そのため、大枚をはたいてアフィリエイターに構築してもらったリンクはそれなりに長い寿命を維持します。

それがゲートウェイとなり顧客がやって来るのはもちろんですが、真の狙いはそこにはありません。

真の狙いとは、Amazonでの購買を習慣化させることにあります。

 

購買の習慣化とキックバックはアメリカンマーケティングの常套手段

ジョンソン・アンド・ジョンソン(以下J&J)がコンタクトレンズ販売の際に日本で取った手法を紹介しましょう。商品は1Dayアキュビューです。

J&Jは日本国内においてはコンタクトレンズメーカーとして後発でした。けれど、アメリカからやって来た外資ということもあり、そのマーケティングは実に巧妙でした。いや、狡猾と言っても良いやり方でした。

1Dayアキュビューの仕入れ値は他社のものより高いものでした。そのため、多くの販売店は仕入れを躊躇しました。

このときにJ&Jが取った手法はキックバック方式です。キャッシュっバックといったほうがわかりやすいでしょうか?

一定数売ると一箱当たり200円を還元するというものです。もちろん、数が出れば出るほど300円、400円と一箱あたりのキックバック率が上がります。(※金額は一例)

もちろん売れれば売れるほどJ&Jの利益率は低下します。ひょっとすると赤字になっていた可能性もあります。

 

販売店はキックバック目当てで自身の顧客に対してどんどん1Dayアキュビューを推奨します。1年もすると多くの顧客が1Dayアキュビューのユーザーになりました。

1Dayアキュビューはディスポーザブルなコンタクトレンズですから、当然ながらリピート性が高いものです。この時点でユーザーはこのコンタクトを使用することが習慣化されています。

このあとJ&Jが取った行動はどういうものだったのでしょうか?

つづく・・・・・

 

嘘です。ちゃんと答えを言います。

すでに推測できていると思いますが、J&Jはキックバックを廃止しました。キックバックをしなくても十分に利益が確保でき、末端のユーザーが自社の商品を購入し使用することが習慣化されたからです。

販売店側も、多く販売しようとして1Dayアキュビューを褒めちぎっていた手前、他のレンズへの変更を促すこともできないし、コンタクトレンズは処方するという性格上、他のレンズへの変更に労力を要する上に、顧客を十分に納得させる材料もなかったのです。

こうしてJ&Jはディスポーザブル・コンタクトレンズの業界トップの地位を確固たるものにしました。もちろん商品自体が優良なものだったから出来たことです。

販売店側は、キックバックを廃止すると言われた時に、J&Jを罵りました。『やり方が汚い』と。

けれど、契約時に仕入れ価格の交渉を曖昧にして、『それよりもキックバックにより実質的な仕入れ価格が下がりますよ~』とささやかれ、それに乗っかってしまった無知な販売店の方が悪いのです。

もう20年以上前の出来事であり、このころはこのようなマーケティング手法を知らない日本の経営者が多かったのです。

 

Amazonの手法もJ&Jと同じ

J&Jの事例とAmazonアソシエイトの料率変更の事例はものすごく似ていると思いませんか?根本的なやり方は同じです。

わかりやすく役割を分けてみましょうか?

  • 卸売: J&J、Amazon
  • 販売: コンタクトレンズ販売店、アフィリエイター
  • 購入: 消費者

実際の仕入れが発生するかしないかの差はありますが、アフィリエイターは販売店と同じ役割とみなされます。類似点は以下のとおりです。

  • キックバックの停止で販売者の利益が薄くなる
  • 消費者は無傷
  • 卸売業者は利益率がアップする

MBAの授業は受けたことはありませんが、おそらく基礎事例として学習していると思います。ほんと、このレベルは基礎ですね。

けれど、20数年前の日本の商習慣では信義則に反するものでした。かといって、顧客側の需要があるものを販売しないわけにはいかないし、顧客にはそんな仕入れやキックバックの事情なんて関係ありません。

 

料率を見ればAmazonの顧客の習慣性も見えてくる

アマゾン 料率

上の表が改定されたAmazonアソシエイトの料率です。どうしてこのように料率が異なるのでしょうか?考えられるのは以下の3点です。

  • 粗利の違い
  • Amazonでの購入が習慣化された商品は料率が低い(高シェア)
  • そもそものマーケットが小さい

ま、こんなところでしょう。

本やCDは2・3%と低めですが、すでに消費者は、Amazonを第一選択にする慣が根付いているので低くて良いのです。けれど、ゼロにすると新製品が売れないため、料率は1%に近づきつつ推移していくでしょう。

一方でファッション分野ではまだまだシェアが低いし、Kindleも潜在市場を開拓している段階なので高率にして多所でのリンクの出現を期待しています。

 

まとめ

Amazonアソシエイトに依存していたアフィリエイターは、Amazonに恨み節をこぼしても仕方がありません。マーケティング手法を学習していなかったあなたが悪いのです。

『お前ら用無しだ!』と、Amazonから言われているようなものです。実際には言わないけど、態度は数字に示されています。

AmazonのCEOは冷徹なジェフ・ベゾズです。このくらいのことは軽くやってのけますよ。というより、何度も言いますがアメリカでの典型的なマーケティング手法です。

該当するジャンルのアフィリエイトをしていた人には、残念でしたというしかありません。ご愁傷様でした。

また、現在、高率なジャンルを扱っている方にも、未来のご愁傷をお伝えしておきます。

 

プロブロガーじゃないフルタイムブロガー(Full-time Blogger) Saksak

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