環広島湾観光振興構想(プロジェクトE) 宮島・江田島航路を設定せよ!

2018年5月18日

まずは着想に至った経緯から。(いつものように前置きが長い)

 

このブログでも何度か紹介しているが、個人的に『Google ローカルガイド』の活動を行っている。

そのため、必然的にGoogleマップを閲覧することも多い。

 

あるとき、おすすめのレストランが表示された。

『おお、江田島にもこんなレストランがあったんか?どれどれ・・・』

と思ってみてみると、場所は宮島。

そんな事が多々あった。

 

たしかに宮島と江田島は近い。

最短だと3kmちょっとしか離れていない。

遠泳が得意な人なら泳いで渡れる距離だ。

 

けれど、

『泳いで渡れって言うんかい!』

と叫びたかった。

うちにはカヤックがあるので行けなくもないが、宮島の表側まで行こうものなら往復で数十時間はかかるだろう。

 

GoogleのAIは多島のある地域を想定していないようだ。

はやく日本を学習してほしい。

 

 

そんなことは記憶の隅にとどめておいたある日、江田島市地域おこし協力隊・観光仕掛人・小林由佳さんのレポートを拝見した。

その中には江田島の現状分析があり、周辺の市区に比べて、江田島がいかに取り残されているかの分析もあった。

 

以下は江田島市も含めた周辺市区の観光客数だ。

 

・広島市   14,653,000人

・廿日市市    8,212,000人

・呉市      4,688,000人

・江田島市    539,000人

 

出典は広島県が公表している『平成28[2016]年 広島県観光客数の動向』だ。

一目瞭然で江田島市は観光において取り残されている。

しかも、この数値には市内在住者の観光客数も含まれており、その185,000人を引くと、実際の交流人口には354,000人となる。

 

関係者の間からは交流人口が増えているとの言葉が発せられているが、実際には横ばいに近い微減が続いている。

数字は嘘をつかない。

島外からやってきたバイク(自転車)が走っていると目立つからそう思うだけだ。

 

 

レポートでは江田島に観光客が来ない理由に『低い知名度』『少ない宿泊施設』『乏しい観光拠点(道の駅がない)』

などが上げられていた。

全くそのとおりで、この3つの要素が脆弱だ。

 

知名度については海軍兵学校があったことで老齢層にはそれなりに有名で、島内の観光地のぶっちぎりのナンバーワンは海軍兵学校を引き継いだ海上自衛隊第一術科学校の見学だ。(これについてはRESASで確認済み)

ただし、一般層には知名度が低いと言わざるを得ない。

 

 

この3つの要素の他にも最大の理由がある。

それは、つながっていないことだ。

要するに時間的にも距離的にも本土から離れており行き止まりの場所にあることが、最大の理由となる。

 

宮島も同様ではあるが、本土から距離的に近い上に、世界遺産というリーサルウェポンがある。

それと比較すると、江田島の観光資源は弱いといえる。

 

けれど、つながったらどうだろうか?

つながれば宮島から人がやってくるし、江田島から宮島のレストランにも行けるではないか!

 

 

 

環広島湾観光振興構想(プロジェクトE) 宮島・江田島航路を設定せよ!

江田島宮島線フェリー

 

 

プロジェクトE

Eはもちろん江田島の頭文字。

イニシャルEもいいなと思ったが、プロジェクトX風にしてみた。

 

 

牡蠣(カキ)の世界的名産地だけどロブスター・シェイプ・アイランド。

それが江田島だ。

ロブスターの形というだけでも覚えてほしい。

 

※島内ではザリガニとの認識だが、インバウンドの観光客を考慮に入れた時には、ゴージャスな海産物であるロブスターのほうが、ネーミング・ブランディングにおいてもより賢明だろう。その方が同じく海産物で名産の牡蠣にリンクしやすく、オチとしても使いやすい。いずれもアメリカでは日本とは比べ物にならないほど高価だ。

 

その江田島にある西寄りのフェリー港が三高港(みたかこう)。

ここからは広島市の宇品港(うじなこう)へ定期フェリーが出ている。

約11~12kmを40分かけて移動する。

 

この三高港を起点にして宮島のフェリー乗り場に航路を描いてみた。(赤いライン)

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Googleマップで距離を測ってみると、ほぼ宇品港へ行く距離と変わらない。

ということは、40分で江田島と宮島との往来が可能になるのだ。

 

もしもこのフェリーが就航すれば、ひろしまの観光産業に劇的な変化をもたらすに違いない。

特に江田島や呉市倉橋島は、間違いなく観光の掘り起こしが行われる。

そして、東西に分かれており分断されていた観光拠点の呉と宮島が循環型ルートとしてつながることで、観光客が広島での滞在をさらに一泊増やす可能性も出てくる。

 

観光に際して、予算のうちで大きなウェイトを占めるのは移動費と宿泊費だ。

その宿泊費が全体で数%でも跳ね上がるなら、この施策は大成功と言える。

 

 

江田島にフォーカスすると

宮島から5%でも観光客の流入が見込めれば、年間40万人のアップとなる。

既存の交流人口が35.4万人なので倍増となるのだ。

やらない手はないだろう。

 

観光客のメリットももちろん有る。

せっかく広島に来たにもかかわらず、原爆ドーム→宮島ルートでは多島美が味わえない。

宮島口からフェリーに乗って宮島に行く際には時間が短く宮島に視野を塞がれるために、船旅気分も刹那的だ。

 

その点、宮島・江田島航路は時間をかけて多島美を楽しめる。

広島に住んでいると多島であることが美とは感じないが、せとうち沿岸以外に住む人にとってはとても珍しく且つ美しい光景なのだ。

特に外国人には喜ばれるだろう。

 

江田島は残念なことに宿泊施設が乏しい。

そのため、当面は観光のみで素通りされるに違いない。

必然的に宿泊は他の3市が担うことになる。

当面はそれでも良いが、観光客の流入が始まると、自然の流れで宿泊施設も整うものと思われる。

 

日常では味わえない醍醐味に『大橋を渡る』体験があるのではないだろうか?

子供の頃は音戸大橋と早瀬大橋を渡るのにワクワク感を覚えたものだ。

前者はグルグルと螺旋を描いて走るときの楽しさがあったし、後者は高いところを走って眼下に海を一望できる楽しさがあった。

それゆえ、このルートが開発できれば、通るだけでも楽しいのだ。

 

※グルグルを味わうには旧音戸大橋を走る必要がある。

 

ひょっとすると、新たなサイクリングコースの開拓もできるかもしれない。

正直なところサイクリストは信号と段差が多く交通量も多い都市部をあまり走りたがらない。

できればノンストップで交通量の少ない道を走りたいのだ。

このルートであれば、広島市という都市部を回避できる上に、観光拠点を巡ることができるので、サイクリストにも嬉しいに違いない。

 

 

まとめ

この構想の問題点は3つ。

フェリーの船体確保と許認可、それと宮島の宿泊業界からの反発だ。

 

フェリーについては、今後の江田島市への観光への貢献を考えると、無理をしてでも確保すべきだと考える。

前述したように、宮島に訪れる観光客の5%だけでも獲得できれば、40万人も交流人口が増加する。

 

江田島市の平成26年度版統計書によると、平成25年の三高港の利用者数は22.5万人だ。

仮に宮島からの流入人口が5%ではなく3%であっても24万人増となり、既存の利用者の倍以上となる。

 

しかもこれはワンウェイだけで、江田島からの乗り込み人数(江田島→宮島、江田島→広島)はカウントされてない。

逆ルートをも考慮すれば数字は大きく跳ね上がるだろう。

瀬戸内シーライン側の採算ラインも十分に越えるに違いない。

 

 

許認可については今がチャンスだ。

湯崎知事は先進的で、特に観光に注力している。

彼の在任期間中に実現しない手はない。

最終的な許認可は国交省がだすのかもしれないが、県知事の助力は不可欠だろう。

 

 

宮島の宿泊業界からの反発、これは大きな懸念材料だ。

この航路ができることで、宿泊客の流出が起きると考えるかもしれない。

 

けれど、それはおそらく杞憂となる。

宮島は世界にも名の知られたモンスター観光地だ。

海に浮かぶ鳥居のインパクトは絶大で、江田島ではまるで太刀打ちできない。

 

ひょっとすると呉がライバルとなるのかもしれないが、観光客数に倍近い差がある。

言うなれば横綱と前頭並の差があるのだ。

 

広島県民として宮島があることは一種の誇り。

誇り高い世界遺産はどっしりと構えていてほしいし、循環型観光によるメリットの方を考慮してもらいたい。

 

 

この構想が実現可能かどうかは定かではない。

けれど、この大岩盤を突き破り大動脈を通すかのような構想のメリットは計り知れないし、何よりもワクワクする。

 

例えば、この航路ができれば、江田島からサイクリングで岩国の錦帯橋まで行ったりもできる。

今までにないファン(fun)がクリエイトできるに違いない。

岩国や東広島あたりにまで効果は波及するだろうから、彼らも巻き込んでぜひ実現してほしいものだ。

 

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