Yahoo!ショッピング無料化は神の一手か?孫正義の狙いを誰も語らないので語っちゃいます!

2013年10月11日

Yahoo!が10月9日に発表した出店料と売上ロイヤルティの完全無料化が、Eコマース業界のみならず、コンシューマーレベルでも強烈なインパクトを放っています。

果たしてこの施策は神の一手なのでしょうか?それとも、史上最大級の悪手なのでしょうか?

ニュースや考察をざっと見渡しても、新規の出店開拓ばかりに目を奪われています。

けれど、はたしてそれだけでしょうか?孫正義の狙いは別のところにもあると見ました。

今回はその点について考察記述していきます。

 

Yahoo!無料

 

最大の狙いは楽天からの既存店のシフトだ!

まさに文字通りで、孫正義の狙いは楽天市場に出店しているテナントの注力を、Yahoo!ショッピングにシフトさせることにあるのだと思われます。

 

よく考えてみてください。無料だからといって集まるショップに強力なパワーが有ると思いますか?

もちろん例外はあるでしょう。けれど、Eコマースで立身しようという人の多くは、すでにEコマースショップを立ち上げています。

しかも、日本でのEコマースの歴史的経緯から、パワーショップはすでに楽天市場に出店済です。

それらのパワーショップは、一般的にその多くが『楽天』『Yahoo!ショッピング』『DeNAショッピング』『独自のネットショップ』の4形態ないしは、この中の複数でショップ運営をしています。

特に、『楽天』『Yahoo!ショッピング』の掛け持ちはものすごく多いのです。

 

そうなった経緯は楽天市場の搾取構造にあります。とにかく何をするにしても手数料が付加されます。また、枯れた技術に対しても課金が発生します。

楽天市場では、各ショップに対してコンサルタントがつくのですが、このような状況もあって、出店者はコンサルタントのことを『広告販売係』と揶揄することが少なからずあります。

楽天市場内での競争に勝つには広告が不可欠だと、高額な広告を売り込むのが彼らの業務の一部なのです。一部と言ってもかなりのウェイトを占めているものと思われます。

 

このような状況を回避するために、各ショップは手数料の低い『Yahoo!ショッピング』での高収益化を模索したのですが、既存顧客自体が楽天市場からYahoo!ショッピングへシフトしなかったため、大きな成功を収めるに至らず、楽天市場の搾取に甘んじてきました。

スポンサードリンク

そこに飛び込んできたのが、売上ロイヤルティの完全無料化という美味しい話だったのです。

 

売上ロイヤルティの完全無料化でシフトが加速する

両方のサービスで店舗運営を行ったことがある方ならわかると思います。このことがどんなにありがたいことがか。

利益率が1%違うだけで、店舗運営にはかなりの余裕が生まれます。文字通り雲泥の差です。逆説的に言うと、楽天市場の課金設定は、テナントを生かさず殺さずの微妙なラインで設定されているのです。そのため、負のボーダーラインを超えてしまい、退店する店が跡を絶ちません。

現在のYahoo!ショッピングのロイヤルティは、売り上げの1.7~6.0%に設定されています。この課金が無くなるだけでも、既存店は息を吹き返します。

 

その後何が起きるでしょうか?

両方のサービスを利用しているショップは、必然的に利益率の高いサービスに注力します。そのほうが利益が出るという単純な原理です。

通常は両サービスで商品価格は同一にしていますが、Yahoo!ショッピングへ顧客をシフトさせるために、初期にはあえて価格差を設ける施策も取られるでしょう。ロイヤルティがかからない分、そういった施策が可能なわけです。

そうすると、必然的に顧客はYahoo!ショッピングの方へシフトしていきます。

まさにこれこそが、孫正義の狙いだと思われます。既存のパワーショップがYahoo!ショッピングに注力すれば、勢力図は変わってくるのです。

 

新店舗の増加による相乗効果も期待できる

完全無料化を発表した直後から、出店希望の問い合わせが後を絶たず、初日でも1万件以上の応募があったとの発表がありました。

単純に店舗が増加すれば、それだけ商品点数が増えるために、Yahoo!ショッピングの利便性が増します。

また、その店舗運営者というのは最大のオピニオンリーダーでありネットショッピングのヘビーユーザーでもあります。

2000年頃の話ですが、『楽天ショップの運営に従事している人は楽天のヘビーユーザーだ』と言われていました。システムを熟知しているため、安心して買い物をする人が多いのです。

この状況が、そっくりそのままYahoo!ショッピングにも起きることでしょう。今までは使い慣れた楽天市場をファーストチョイスにしていたという人が、Yahoo!ショッピングにシフトしていくはずです。

 

各種論評を見渡しても懐疑的な見方が大勢ですが、個人的には成功すると見ています。それだけ、楽天市場に搾取されるショップ側の疲弊が大きいということでもあります。

この論点が欠如した考察はあまり意味が無いため、この要素を加味した上で、既存の考察を再度練りなおしてほしいものです。

スポンサードリンク