ネットニュースを見ていると、パスタとスパゲッティの呼び方について論争が起きているという記事がありました。
その記事ではいまいち要点を外していたので、20年来主食がパスタというボクが改めて解説しましょう。
パスタ(Pasta)とは?
そもそもパスタ(Pasta)とは英語で言うペースト(Paste)です。だから広義には練り物全般がパスタなのですよ。
歯磨き粉もそうです。ひょっとするとおでんの具もイタリア人にとってはパスタかもしれません。特に小麦粉を使っていなければパスタではないという定義はありませんから、魚のすり身を練っていてもパスタでしょう。
もっとも、一般的には小麦粉で練った食べ物のことをパスタといいます。これは狭義です。この分類上、ラーメンや蕎麦、餃子などもパスタとなります。イタリアンでもそば粉は使うし、ラビオリなんて餃子ですもんね。
パスタとスパゲッティ、どっちが正しい?
今どきパスタという言葉を気取って使う人はいないと思います。すでに日本語に定着していますよね?
それではどちらが正しいのでしょうか?
パスタと言えば、小麦の練り物を包括して示しているのでハズレではありません。スパゲッティという表現は微妙に外していることが多いです。
なぜなら、少なくないお店ではスパゲッティと称してスパゲッティではないものを提供しているからです。このことは後述するとして、パスタがハズレではないということをまず説明しましょう。
パスタとは小麦の練り物の総称
ものすごく簡単な例で説明しましょうか。例は果物とりんごです。
この例を挙げるだけでピンときた人は多いのではないでしょうか?パスタとスパゲッティの関係は果物とりんごの関係と同じなのです。
果物には、りんご以外にもみかんやぶどう、ナシなどがありますよね?パスタにも、スパゲッティだけではなく、フェットチーネもあればラザニアもあればペンネもあります。
だから、パスタと言っておけばハズレではありません。けれど、ピンポイントに当たりというわけでもないのです。
『昨日パスタ食べたんよ~(広島弁)』と言われても、どんなパスタを食べたのかはわかりませんが、『スパゲッティ食べたんよ~』と言われると、どんなものを食べたのかをある程度連想することができます。
スパゲッティと言いつつスパゲッティーニを出すお店が多い!
ちゃんとしたイタリアンのお店だとしっかりと説明書きがありますが、カフェのようなところだとかなりいい加減に表示されています。
スパゲッティ(spaghetti)とスパゲッティーニ(spaghettini)の違いは、ズバリ太さです。
最もポピュラーなバリラ(Barilla)だと1.7mmがスパゲッティ、1.4mmがスパゲッティーニです。ブイトーニの場合には1.9mmがスパゲッティ、1.6mmがスパゲッティーニです。
本来はこの太さの差で合わせるソースまで異なってくるのですが、日本ではかなりいい加減に適当に合わせています。
それではどうして日本のお店ではスパゲッティーニを出すところが多いのでしょうか?
その理由は効率です。単純に茹で時間が短いほうが顧客に早く提供でき、回転数も上がるからです。もちろん調理の手間も違ってきます。
そのため、ボロネーゼにスパゲッティーニという組み合わせも多いのですが、個人的にはちょっとむかつきます。この組み合わせだとスパゲッティーニが負けてしまうんですよね~。
ペンネリガーテも食べてみて!
個人的におすすめなパスタはペンネリガーテ(Penne rigate)です。もっぱらペンネアラビアータ(ピリ辛トマトソース)の時に使用します。
ペンネリガーテはペンネとリガトーニの間の子で、溝のないものは単にペンネと言い、ペンのように尖ってないものはリガトーニと呼びます。溝があるとソースが絡みやすいので、同じ味付けでも濃い味が楽しめるのです。
長いパスタだけでなく短いパスタも知っておくと、ちょっと通ぶることができますよ!
スパゲッティしか知らないオヤジ達へ
スパゲッティが出てきた時にスパゲッティと言っているオヤジは正しいんです。一緒にランチに行った部下の女子に、『このおじさん、パスタって言わないわね、ププッ』と、思われても、正しいものは正しいので良いのです。
けれど、ここはオヤジ臭さを払しょくするべく、少しうんちくを披露して見てはいかがでしょう。
『前に行ったお店でスパゲッティを注文したのにスパゲッティーニを出されてさ~』と言ってみたりすると、『このオヤジ、できるわね!』と、思われるかもしれませんよ。
もちろん、周辺知識もしっかりと埋めて現場に挑んでください。そうしないと墓穴を掘る事にもなりかねませんから(笑)
プロブロガーじゃないフルタイムブロガー(Full-time Blogger) ぶらり人 Saksak
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