時計型ストーブのロケットストーブ化 設計図 備忘録その2

ロケットストーブデザインB ロケットストーブ
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時計型ストーブのロケットストーブ化に伴って考えたことは「省力化」と「ロープライス化」でした。

省力化に関しては既存のペール缶ロケットストーブを流用することを、ロープライス化は新しい材料を極力購入しないことを、それぞれ主軸に。

お金を掛けて手間ひまをかけて作るくらいなら、製品を買っとけって話になりますから。

 

ただし、手間暇に関しては、楽しんでやっている部分もあるので、それなりには掛けています。

というより、要領が悪くてかかってしまいました(汗)

では、この2つの基軸をもとに設計を考えてみましょう。

 

 

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ロケットストーブA案

ロケットストーブデザインA

 

まずは理想形にも関わらず却下したA案。

下側の長方形がホンマ製作所の時計型ストーブAF-60で、その上にペール缶を2個つなぎ合わせます。

この設計の特徴は垂直(縦)に伸びたヒートライザーが長く、燃焼効率が良いこと。

ヒートライザー自体が80cm以上にはなると思われます。

 

バーントンネルは10cmほどになりますが、時計型ストーブの前室も大きなトンネルと看做せばしっかりと長さが確保できます。

一般的なマキストーブのように前室で燃やしてもバーントンネルに炎が吸い寄せられ、ヒートライザーでサイクロンが発生します。(燃焼実験で確認済み)

この設計の場合、ピンクのラインで描いたように、隔壁を設置しなければなりません。

こうすることで後室の空間に炎が入ることを防ぎます。

 

なぜ採用しなかったのか?

この設計を具現化するにはガルバリウム鋼板が必要ですが、それを買いに行くのが面倒でした。

もちろん、コンセプトに反して2000円ほど余分な出費がかさむこともネックです。

やるとすれば、ヒートライザー&バーントンネルの中は煙突&エビ管、外側を方形のL字型ガルバリウム鋼板、間にはバーミキュライトもしくはパーライトを充填して、出口を耐火セメントとでシールする方法を考えていました。

 

ただし、この設計には、複雑に曲がった枝を入れにくい欠点が。

というのも、所在地が田舎なもので、毎年恐ろしく成長する庭木が数本あるのです。

その枝の処分も兼ねてのロケットストーブが欲しかったわけで・・・。

なので、時計型ストーブ全体の燃焼空間を活用したかったのです。

というわけで、B案を採用することになしましたが、おそらくはストーブ内で煙突効果が80cm以上確保できるこのA案のほうがロケットストーブとしては高性能ではないかと思われます。

 

 

ロケットストーブB案

ロケットストーブデザインB

 

時計型ストーブの燃焼室をフルに活かしバーントンネル化した上で、後室上部にペール缶2個を乗せ、その内部にヒートライザーを設置したタイプです。

これなら、いびつな長めの枝もそれなりに入れることができます。

最大の懸念点は、バーントンネルにサイクロンが発生するかどうかでしたが、ベール管を外して調理型ロケットストーブにしての燃焼実験の結果、バーントンネルを30cmは超えるサイクロンが発生しました。

この型いけます。

 

濃いグレーは瓦です。

底面に設置することで本体の損傷を防ぐとともに、蓄熱も狙っています。

幸い空気穴を塞がないで済むので、燃焼への悪影響はありません。

 

薄いグレーは耐火セメントです。

バーントンネルの上下に設置することで、瓦と同様の効果を狙っています。

今回の設計ではヒートライザーの上での調理は想定していません。

前述の燃焼実験での結果を考えると、この場所が開くのは室内では危険だとの判断からです。

 

手間と器用さがあれば、既存の煙突を活かす加工をしたほうが良かったかもしれません。

けれど今回は、そのような複雑になる加工を断念して、ペール缶に穴を開けて煙突を設置することにしました。

既存の煙突は塞いでいます。

 

この設計はまさに薪ストーブとロケットストーブのハイブリッドで、熾火を楽しむことができるのもメリットです。

そのときにはシングル煙突がデメリットになる可能性も否定できませんが、2時間の燃焼実験の段階では煙突が触れることのできるレベルにしか熱くならなかったため、問題はないと思われます。

 

次回からは制作の様子をお見せします。

 

 

 

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