各地で槍玉に挙げられていることの多い観光協会。
目的意識が希薄だったり、数値目標を追わなかったり。
ひどい場合は変わることに億劫で、若い人の意見を取り入れず新しいチャレンジをしなかったり。
地元のボスキャラたちが跋扈していて、既得権益と密接に絡み合っていたり。
任意団体で存在自体があやふやだったり。
江田島市観光協会がそうだと言っているんじゃないですよ。
どのような状況か知らないから。
けれど、昭和の匂いがプンプン漂う組織のようです。
では、具体例を上げてみましょう。
是長港からの夕日
フォトコンテストにインスタグラム部門がない!
Google ローカルガイドのための写真撮影を終えて帰る途中、素敵な夕景が目に飛び込んできました。
その時に撮ったのが上の写真。
風景写真は三脚が必須だけど、あいにく持ち合わせてなくて、しかも手を上に思いっきり伸ばした状態だったので、撮影に苦労しました。
ロウソクみたいでしょ?
ロウソク灯台として売り出せば集客が見込めるかも?
せっかく撮ったのでネコインスタにアップしました。
ジャンルは違うけどそれなりに好評で、今現在289いいねがついています。
『そう言えば、江田島市ってフォトコンテストやってたよな?』と思い、サイトをチェックしてみると、ありました。
江田島市観光協会主催のフォトコンテスト。
しかも、お題は夕日。
『おっしゃ~!』と思ったものの・・・インスタグラム部門がないじゃないですか。
『なんでじゃ~!!!』
(その前に締め切りが過ぎてた・・・泣)
今どきフォトコンテストをやっててインスタグラム部門がないなんてありえます?
ありえないでしょ?
何のためにフォトコンテストをやってるのでしょうか?
目的と手段をはき違えるな!
これはどんな現場でもよく見られること。
フォトコンテストを例に解説します。
そもそも、フォトコンテストをやっている理由は何でしょう?
間違いなく観光振興ですよね?
ここで言う狭義の観光振興は集客とマネタイズです。
そしておそらく具体的には、集客を主目的とした江田島の認知度アップのために行われているはずです。
集客 > 江田島の認知度アップ > フォトコンテスト
と、上記のような順序になります。
要するに、集客や認知度アップが目的であり、フォトコンテストは手段なんですよ。
けれど現状は、フォトコンテストのためのフォトコンテストになっていて、手段が目的化しているわけです。
フォトコンテストが集客のためのものとの意識があれば、爆発的な伝搬力があるインスタグラムを利用しようと思うはず。
けれどやってないということは、昭和脳だということです。
先述もしていますが、このような手段の目的化は枚挙に暇がありません。
既存の施策を敢行するにあたり、改めて目的はなんなのかを自問すべきでしょう。
ちなみに、インフルエンサーマッチングプラットフォームSPIRITの調査によると、フォロワー900程度のインスタグラムのいいね率は13%程度だとか。
この条件を元に計算すると、289いいねを獲得したこの写真は、2223人に閲覧されたことになります。
写真を撮って数日間でこの伝播力。
これを千人単位で行えばどれだけの広告効果が得られるでしょう?
しかもハッシュタグを追跡すれば参加人数や伝播力の集計が容易にでき、広告効果の測定も可能です。
今回のフォトコンテストの参加者は135人。
結構な額の賞金が出ていたように思います。
同じ賞金を出すなら伝播力を考慮してインスタグラム部門を併設すべきなのは自明の理ですね。
余談ですが、インスタグラムを含めたスマホ界隈では、これまでの写真の概念が通用しません。
『良い写真とはなにか』という前提が、根本的に異なっています。
インスタグラム部門を設置する際には、既存の価値基準とはことなる審査力も求められることを併記しておきます。
他社のサブドメインにウェブサイトを移行するなんて愚の骨頂!
いや~、これには呆れました。
現在は「etajima-kankou.jp」という固有のJPドメインで運用されているのですが、2018年4月からは「etajima-kankou.jimdo.com」になるとのこと。
『はい?えっ?どうして?』
はっきり言って意味がわかりません。
後者は「jimdo」のサブドメイン。
簡単に言えば間借りしてますということ。
少しでもウェブ関連の知識があれば、絶対にこんなことはしません。
例えて言うなら、一軒家から誰かの家の6畳一間に居候するようなものです。
いやでしょ?
しかも家賃ほどお金がかからないし。
SSL付きで年間1万5千円弱、なしだと1万円でお釣りが来ますよ。
う~ん、不可解。
ドメインというのは大事に育むもの。
その意識がないのでしょうね~。
ちなみに、面白いものを発見しました。
平成22年度の江田島市観光協会事務局長募集要項です。
応募資格の2番めに以下の文章がありました。
「パソコン操作(ホームページ作成,デジカメ写真加工などの技術)及び会議などをコーディネートする能力がある方」
数年経て、この応募資格をダウングレードしたのでしょうね。
きっと・・・。
ITリテラシーを持つスタッフがいないのか、事務局長が能力のあるスタッフをうまく登用できてないのか。
内情はよくわかりません。
Google マップを最大限に使うべき!
Google ローカルガイドの活動は、Google マップに情報を提供して生活者の環境をより良いものにしていこうというもの。
この地図自体はゼンリンが提供しており、Googleがボランティアの力を使ってカスタマイズしているのです。
先日、江田島内の絶景ポイントとして有名な『天狗岩』へ行ったのですが・・・そもそも登録されていませんでした(汗)
おそらくは観光協会が設置したであろう看板が立っているにもかかわらずです。
看板を設置しているということは仕事はきっちりしているんですよ。
ただし、昭和脳で仕事をしているみたい。
ITによる訴求についてもっと積極的に取り組むべきです。
プロフェッショナルが一個人のアマチュアに負けてるなんてダメでしょ?
看板にQRコードでも設置すれば、より良くなると思うのだけど。
まとめ
一応断っておきますが、文句ばっかり言ってるわけじゃないですよ。
代替案をちゃんと示しているので、検討の価値があると思えばそうしてください。
・インスタグラム部門の追加 → 決断するだけ
・オリジナルドメインの維持 → 継続するだけ
・Google マップの有効活用 → やるだけ
・QRコードの設置 → プリントアウトして設置するだけ
むっちゃ簡単ですね。
アドバイスが必要であれば、お茶の一杯でも出してくれたら、可能な限りさせていただきます。
あ、でも、拘束時間が長くなるなら、ボランティアではできませんのであしからず。
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